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発行日が古いものから並んでいます。
※最新刊が一番上にあります。
My darling was my kitten of the mischief lover.
My darling was my kitten of the mischief lover.
突発的に書きたくなった出来上がってる系サナダテ。
お付き合いしちゃっている二人の日常の一コマなお話。
相変わらずのイチャイチャバカップル。
ラブラブで甘々なのが書きたかったんだと思います。
サナダテ?ダテサナ?いいえ、サナダテです!!
※当作品は成人向けになります。未成年の方は購入お控え下さい。
※DL通販中です。
以下本文抜粋
My darling was my kitten of the mischief lover.
「んー。いい天気じゃねえの」
天高く馬肥ゆとはよく言ったものだ、と一人悠々と伸びをして空を見上げる。風は爽やかになり、未だ残暑の名残はあるものの、大分湿度の低い状態になり、青く澄み渡った空はここ二週間ほどでぐんと高くなったのではないだろうか。
ふわふわとその青の中を自由に泳ぐ白い雲は長閑に流れて……。
ごろん、と日差しに温められた屋上のコンクリートに寝転がる。
グランドから聞こえる賑やかな声はまるで自分には関係ないような程遠く聞こえて。
こんないい天気で昼寝日和に、全く何て元気な奴らだ、と人事のように思って目を瞑れば、燦々と輝く太陽からの陽光が瞼を透かし、暗いのに眩しくて。
目を瞑った事で更に周辺の音を遠くに感じる。
そのまま自堕落に任せて、ふあああ、と盛大に欠伸をすれば、緩やかに睡魔が這い寄ってきて、瞼の裏側に透かされる眩しさも遠ざかるようで。
「あ、また。こんなところに」
瞼から溢れる光がさっと翳ったと思うと、聞き慣れた声がして、煩いな、と言いたげにごろりと背を向けた。
「政宗殿、起きて下され。サボってばかりでは、叱られますぞ」
「うるせぇなァ。こんな歳になってまで球技大会なんてやってられっかよ」
ゆさゆさと肩を揺すられて、渋々と言うように閉じたばかりの瞼を上げて、むくりと起き上がれば、影を落とした張本人がジャージ姿に鉢巻まで巻いて、ちょこんとしゃがみ込んでいた。
「アンタは、こういうの好きだろうけどよ?」
「なァ、真田幸村?」
悄気た子犬のように所在無さげにちょこんとしゃがみこんでいる男の赤茶けた癖毛をくしゃりと掻き混ぜて、政宗が一つ目を撓ませれば、きゅ、と嬉しそうに髪色に良く似た、それよりも更に濃い色の茶色い大きな双眸を細めたのは幸村だった。
政宗にくしゃくしゃと撫でられて気持ち良さげに目を細めていた幸村だったが、あ、と何かに気付いたように声を上げれば、政宗殿、と普段から些か人より大きな声を更に大きめに発して、自分を飼い犬のようにほさほさと撫でている政宗の面白そうに撓んでいる一つ目を覗き込んだ。
「0h,何だよ急に。デケェ声出すなっていつも言ってるだろ」
慣れたつもりでも、それでも間近に聞く幸村の大声はかなりのもので、政宗はshit! と小さく零す。
「申し訳ござらん」
政宗に窘められて些かしょぼんとした様子で幸村が頭を下げれば、まァいいっていつもの事だしな、と政宗の形良い唇から八重歯が覗く。その悪戯っぽい微笑みにどきんと幸村の心臓は跳ね上がるが、今はそれどころではないと、あのですな、と政宗の一つ目に視線を合わせた。
「これも、学校行事の一環でござるゆえ」
真面目くさった風に幸村が言えば、ふ、と薄ら笑った政宗が半目になり、相変わらず真面目だねぇ、と些か馬鹿にしたようにも取れる口調で怠そうに肩を竦めてみせた。
「茶化さないで下され」
ぷぅ、と頬を膨らませた幸村がなあ政宗殿、と頼み込むように声をかければ。
「アンタもここでサボっちゃえば?」
僅かに吹いていた風にふわふわと幾筋か靡いていた幸村の、一房長く伸ばしてある髪の毛を掴んで引き寄せると、政宗は悪魔のような囁きを、赤く染まる幸村の耳に吹き込んだ。
うひ、と擽ったさに奇妙な声を上げて肩を竦めた幸村だったが、その魅惑的な誘いに負けてはならん、と顔を上げ、些か強めに駄目ですぞ、と言えば、ニヤニヤとした笑みを湛えた政宗にwhy? と態とらしく聞こえない振りまでされて、うぐぐ、と言葉に詰まる。
「なァ、いいじゃねえか」
自分の割合はっきりとした声音ではなくて、低く掠れたような声でもう一度魅惑的な誘い文句を聞けば、幸村の純情は煽られて、しゃがんでいた膝がこつん、とコンクリートの上に落ちてしまう。それを見遣った政宗は、幸村の半袖の体操服の裾をつい、と引っ張り、ほら、アンタもここで一緒にふけちまおうぜ、と膝をついた幸村の引き締まった太腿をジャージの上から撫で上げた。
「あ、……」
くしゃっと顔を顰めた幸村が情けない声を上げれば、たまには、屋上ってのもいいんじゃねェ? Thrillがあって、とこの人は本当に悪魔じゃないだろうか、と思うような誘いが政宗からあって。
そのまま流されてしまいそうになるけれども、今はそんな場合ではなくて。
「ふざけないで、下され、」
上がりそうになる息を堪えて幸村は政宗の両肩を掴んで止めさせる。
何で? こんなになってるのに? 笑い含みに政宗に言われて、幸村は慌てて自分のジャージを押し上げる部分を隠そうとしたが、それよりも早く政宗に柔く握り込まれてしまい、あ、う、と更に情けない声が上がる。
「もうこんなにしてんじゃねェか。相変わらず元気だなァ」
うっそりと、満足そうに微笑んだ政宗の顔に目を遣れば、からかうような真似をしている割には細められた左目の縁は薄紅色に染まり、揺れる黒髪の隙間から見える耳朶すらも赤くて。
あ、あ、と控え目に吐息を零す幸村の劣情を更に煽ってくる。
全くこの人の気紛れと悪戯心には毎回手を焼かされる、と思いながらも、実はこうして酷く初心で純情なのだ、と政宗の細い指が悪戯をする快感を堪えながら思う。
本当にこの人は可愛らしくて、と。
脂下がりそうになる頬を引き締めるのが大変な程に。
口が悪いのも些か粗暴なのも、全部全部この人の照れ隠しだったり、僅かばかり人馴れしない性格だったりの現れで、こうして身も心も寄せ合う仲になってしまえば、それすらも愛しくて。
ずっとずっと不思議な色合いを湛える一つ目に自分だけを映し出して欲しくて、自分とは余りにも違う環境に属していた政宗を口説いて口説いて口説きまくって、漸くこの手に入れたのだ、と去年の今頃の事を思い出して幸村は一人感慨に耽った。
随分つれなくされたり、恋するきっかけにもなっていたライバルという間柄の勝負事でも、本当に容赦がなくて、実は未だ負け越しているのだけど。
けれども、そう言う全部があって今のこの関係なのだから。
政宗を筆頭と呼んで慕ってくる輩にも随分梃子摺らされたけれど、それでも、真面目一辺倒の自分と些かやんちゃの過ぎる政宗が、こうして今、同じ時、同じ場所で、睦み合う事が出来るのだから。
ライバルという関係もいいけれど、今はこの悪戯で気紛れな猫のように美しい人と甘い時間を共有したい気持ちでいっぱいだった。
けれども。
今はそんな場合ではないのだ。政宗の潤んだように見える一つ目を見据えてはあ、と一度深呼吸をすると、幸村はやにわに自分自身を弄ぶ政宗の長い指を掴み、やや乱暴に引き剥がした。
「駄目ですぞ」
もう少しで下着に恥ずかしい染みができそうだった、と幸村は内心で胸を撫で下ろす。
この美しくて可愛い人を恋人、と呼べるようになって幾分か経つが、そうなるまでの一人奮闘した事や付き合ってみれば垣間見えてきた恥ずかしがり屋で純な部分だとか。
そんなものを思い出しながら政宗に悪戯されていれば、若く精力旺盛な幸村にとっては堪らない事で。こんな場所で勘弁してくれと思えども、恋して止まない人に触れられていれば馬鹿みたいに素直に反応してしまうのも、至極当然の事。
うー、と唸りながら政宗の指から逃れた幸村は、こんなところで、と匂い立つような政宗の黒髪に一つ口付けを落とすと、諭すような口調で言い募った。
政宗殿の方こそ、と。
事実政宗の方もだらしなく着崩したジャージのズボンを緩く押し上げているのが見て取れて、幸村の目を楽しませる。
「ですが、」
今は駄目です、と強く意思を持って幸村は制した。
それを聞いて政宗はha!と鼻白んだ感じで一つ笑うと、アンタってホント、真面目つーか、と不貞腐れたようにそっぽを向くのがまた可愛らしくて。思わずこのまま連れて帰りたくなってしまうような、そんな不埒な自分の欲望を持ち前の根性で捩じ伏せて、幸村は。
「このあと我らのクラスの試合ですぞ」
自分たちのクラスが一つの競技で順調に勝ち進んでいて、次の試合は決勝戦なのだ。今までの相手とは違うので、ここは自分にも負けるとも劣らぬ運動神経の持ち主である政宗に是非とも出場して貰わないと、と幸村はがらんとした校舎中を駆けずり回ったのだ。
そして漸くこの屋上で政宗を見つけたのだから。
スポーツ大好き、勝負となれば常に真剣勝負、と熱く滾る心の持ち主である幸村は今回の球技大会の実行委員も兼ねていて、クラスを纏めて鼓舞して絶対優勝! と張り切っていたのだ。
だから、ここで政宗を連れて行かねば折角頑張ってくれている他のクラスメイトたちに申し訳ない。そんな責務を背負って今ここにいるのだから、甘く芳しい政宗の魅惑的な誘惑に負けるわけにはいかない。
「これで決勝なので、終われば、な?」
この試合に勝てば自分たちの出番は終わりだし、球技大会自体も終わりだ。そうすればあとは三々五々、解散の流れなのだから、この続きは帰ってから、と幸村が暗に告げれば。
「a-han.」
胡乱げに政宗の相槌が返ってきて。
「言ったな?」
政宗の強気な一つ目がきらりと光った。
「その代わり今までサボっていたのだから、絶対優勝ですぞ」
「次の対戦相手は手強い。だから政宗殿を呼びに参ったのだから」
ふーん、とその幸村の言葉に頷くと、アンタがそこまで言うなんて、中々面白そうな相手なのか、と俄に政宗の好戦的な部分に火を点ける。
「そうですな。二つ上のクラスで」
三年、と聞いて自分の世話役のような存在の左頬に傷のある男と、幸村の保護者のような存在の飄々とした男を思い浮かべて、政宗は意地悪そうに唇の端を捲り上げた。
「あいつらか」
その存在を指示語のみで表せば、幸村も是と頷いて。
そりゃあ強敵だ、と政宗も頷いた。
「アンタ、死ぬ気でやれよ」
そう言って幸村の体操着の胸ぐらを掴み鼻の先がくっつきそうな程顔を寄せて告げれば。
「承知」
先程まで政宗の悪戯に翻弄されていたとは思えぬ程きりりと顔を引き締めた幸村に、政宗の胸の奥がきゅ、と甘く疼く。
最早どちらがこの球技大会に熱心だったのか、分からぬような会話をしながら、お互いの瞳に勝負時の光を見出して悪い顔で笑い合う。
鼻面を付き合わせて、アンタその顔すげえcoolだぜ、と思わずときめいてしまった気持ちのままに政宗が告げれば。
球技大会に出てくれれば先程の戯れの続きをしてあげますぞ、と何となく主導権を握っていた幸村の方が、今度は褒美を貰う側のようになってしまって。
「では、死ぬ気で頑張るので、先程の続き忘れないで下されよ」
政宗の褒め言葉を受けてぶわっと頬が染め上がった幸村が強請れば。
「All right.必ず勝つぜ」
政宗の方も気前よく返して。
戯れのようなひと時を過ごした二人は、それじゃあ行くぜと俄に活気付いた政宗の声に促されるように立ち上がり、威勢よく応と返事した幸村の声と共に屋上を後にしたのだった――。
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