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きみにこそおもふ―Gemini―上

きみにこそおもふ―Gemini―上
きみにこそおもふ上
オンラインで公開(現在は非公開)していたお話の後日談という不親切極まりないお話。
自分がその話の続きのエロを書きたかっただけです。
相変わらずのイチャイチャ甘々バカップル。
真田さんがちょっとだけ男前化(多分)。
伊達さんは相変わらずの中二乙女(安定)。
サンプル文は健全ですが本体は成人向けです。
近々オンライン分と併せて一冊にまとめてDL通販にする予定です。
※当作品は成人向けになります。未成年の方は購入お控え下さい。
※在庫なし。DL通販のみでの取り扱いになります。

以下本文抜粋

きみにこそおもふ―Gemini― 上


 共に朝寝をしてから。
 気が付けば辺りは既に夕暮れ時になっていた。
 喜劇のような運命の悲劇の双子のようだと思って、それでも惹かれて止まない熱い鼓動を持つこの男の腕の中で目を閉じて――。
 それきり、今の今まで記憶がない。
 隣には未だに健やかな寝息を立てて、政宗をその腕の中から離すまいとするかのように、ぎゅう、と囲ったまま眠る男が一人。
 すうすうと普段の暑苦しさからは思いも及ばないような静かな寝息を立てて、強い意志の宿るdiamantで出来たような瞳が瞼で隠されると、未だ幼さの残るそれでも端正な顔立ちが余計に幼く見えて。
 政宗は最近尖り始めてきたその年下の恋人の顎をなぞり、割合すっとした鼻筋の高めの鼻梁も指先でひと撫でした。
 薄っすらと開いた口からは、この男の健康さを表すような白い歯が見えて、政宗は思わず幼い寝顔の鼻の頭を抓んだ。
 ち、と舌打ちして。
 畜生、何だってんだ。こんな間抜け面のすっ呆けた男。何で俺がこんな奴と褥を共にしているんだよ。くそ面白くない、と思うがこの体の至るところに政宗に鼻を抓まれてふが、と間抜けな寝息を上げた男の名残がそこかしこに残っているのだ。
 抗いようのない程の真実として。
 昨夜の夢見の余りの悪さに思わず飛び起きたその時、何よりも真っ先に思い描いたこの男の、直情的で技巧の一つもないただただ思いのままに掻き抱くだけの、愛の名残が。
 体のあらゆる場所に痛みとして、沈む紅色の鬱血した痣として、そして、政宗の心の中に甘やかな思い出として。
 夕日を浴びて薄橙に染まっている頬を更に真っ赤な夕日そのもののように染め上げさせる程度には、深く深く政宗の中に残されているのだ。
 そんな風に名残を思い浮かべながらshit,と低く呟いた政宗は、隣で気持ちよさそうに眠る幸村の方に向き直り、腕を立てて枕にした。
 ああ、やっぱり間抜け面だな、と思う。
 けれども、それよりも何よりもやはり愛しさが込み上げて――。
 恐ろしく凄惨な夢を見て飛び起き、何よりも強くその存在を思った相手が、まるで己の心を見抜いたかのように、文字通りこの夜を、空を、飛び越えて来てくれたのだ。
 その行動は些か突拍子もないような、驚嘆に値するものだったけれど、それでもそれはとても政宗を安心させたし、息苦しかった夢を振り払ってくれ、酷く政宗を安らがせてくれた。
 大きくて円らな力強い瞳と、その薄茶色のdiamantで出来たような輝きが音になったらこんな風だろう、という様なはきとした声音と物言いで政宗の心に巣食った薄暗く澱んだ闇を弾き飛ばしてくれた。
 そして、泣くのならば己の胸で、と時折見せる酷く優しい仕草で、声音で、政宗を癒し支え守り愛しもうとしてくれる。
 そんな幸村に政宗は心の底から絆されているな、と思う。
 絆されているどころか依存にも似た状態なのでは、とすら思う。
 けれども、それで良いとも思う。
 自分は真田幸村と言う男が居なければ存在し得ないのだ、と。
 彼が居なければ自分と言う男は、人間は存在せず、ただ出自によって定められた、奥州筆頭としてこの土地を治め天下を狙い、国を民を慈しむ。ただそれだけの男だった、と。
 命を懸けても良いとすら思えるほどの終生のrivalと出会い、尚且つ今生にただ一人一度きり、とも思えるようなloverに出逢えたのだ。
 この男が居なければ、やはり俺というものは存在し得ないだろう、と再び強く政宗は思う。
 なァ真田、と政宗は心の中で語りかけた。
 アンタに出会ってなけりゃ俺はきっとこんな風になってなかったんだぜ。アンタのお蔭でこんな風に弱さも強さも身につけた。今までの俺は強さだけを求めて、そしてそれが国を統べる者として必要な事だと思い、そればかりを追い求めてきたけれど。
 その先にアンタがいたんだ。
 己の強さを示したくて、更なる強者を求めていた俺の、目の前に。
 アンタが。アンタが突然現れたんだ。
 真田、アンタいつだかの逢瀬の時に、言ってたよなァ。
「あの妻女山での出会いが某の運命でござった」
 とか何とか。
 臭い科白をよ。
 けどよ、俺にはそれを鼻で笑う事は出来なかった。
 なァアンタだけがあの瞬間にfateを感じたんじゃねえんだぜ。
 俺だってあの時に、運命の出会いって奴を感じたんだ。
 だから、なァ真田。
 アンタが言うように、今この時だけはこうして細やかな幸せと思える時を過ごせる間だけならば。
 歌を。――歌ってやってもいいんだぜ。
 今こうしている時。この瞬間。アンタをこうして思っている時。
 俺の心の中で溢れてくるこの甘く疼くようなmelodyこそがきっと、アンタが言うところの愛の歌、なんだろうよ。
 なァそうだろ?
 アンタを思ってこうして自分に似つかわしくない程に優しげな和やかな円やかな穏やかな気持ちになるのは、アンタのせいなんだろ。
 そしてそれを口吟むように心の中に流しているこれは、このmelodyはアンタと俺を惹きつけて止まないこの胸の鼓動なんだろう。
 この脈動が続く限り、アンタと俺の愛の歌とやらはずっとずっと響き続けるんだろう。
 俺たちは知らぬ間に歌い続けていたんだろう。
 ああ――。
 なァ真田。
 俺を強くしたのも弱くしたのも、そしてあの悪夢から救い出したのもアンタなんだ。何よりも先に思い浮かべたアンタだったんだ。
 ――好きだ。
 やっぱりアンタの事が好きだ。
 この胸の鼓動が続く限り、俺の全身にこの赤い脈動が流れる限り、俺の内側はアンタの色に染まっている。
 そして永遠にアンタへのloveを歌い続けるんだろう。
 愛している、と。

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